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ユウは何しにここへ

こんばんはー  なかやんです。
今回は、衝動的ではございますが、このゆたんぽボンベの背景の星々を見ていて
話を一つ書きたくなりました。
ちなみにフィクションで実在の人物とは一切関係なく、あと文才はないでしょうからあしからず。。

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「おいっ、待てったら!、ユウ」
「ちょっっと!おいてかないでよ!」

オレは今白い犬を追いかけている。叫ぶようにして、オレのあとをまた女の子が追いかけてきている。



 今日、午後8:30分。高校2年生男子7人と女子3人が、肝試しに集められた。
正確には、もともと男子6人であって、偶然、愛犬ユウの散歩していたオレが飛び入り参加させられた。
場所は竹が生い茂る裏山のふもと。無駄にバカ騒ぎしている男子のダチ連中に、こんな時間に、こんな場所で声を掛けられた時点で、もうやることは分かっていた。

「お前ー、幽霊とか見たらチビるんじゃねーの?」
「バカ、そんなんでチビったらこんな裏山んとこ散歩してねーよ」
「まあそれはともかく、問題はアレだ。2人ずつ組んでくから女子と組める男子は3人しかいねぇーということだ」

「うんじゃーお楽しみの肝試しペア抽選始めま~す」
オレとダチとの会話を切るように、向こうから声が聞こえてくると、ぞろぞろと全員が抽選棒のまえに集まった。
女子勢をみると、そこには見覚えのある顔があった。

「アレ?椎奈?」
オレが話しかけると、少し視線をむけて「ああ、空太か」と答えてくれた。

抽選の結果、狙ってはいなかっただろうが、その椎奈とペアになった。
「うんじゃー、裏山の反対側にある一番高い竹につけてある短冊をもってかえってくること!あと頂上へは行かないように。以上健闘を祈る!」

 
 
 肝試しがスタートした。
オレたちのペアは一番最後に出発した。

「久しぶりだね。あんた最近学校休んでる日あったし、少しだけ心配だった」
「少しだけかよ」
そんな話をしていると、暗い雲がひらけていてその間から月の光が差し込んできた。

二人、満月を見た。
だがそれも一瞬だった。

視線はすぐに下にback!なんと、ユウが走りだしていた!

「おいっ、待てったら!、ユウ」
「ちょっっと!おいてかないでよ!」


 
 ユウが竹の間をくぐりぬけていくように走って逃げていく。竹から差し込む月の光が、ちらちらユウの影を見せたり隠したりしている。見失わないように、必死でついて行った。登ってってる。進んでいる方向は、頂上か。いつのまにか、後ろを追いかけていたはずの椎奈も見えなくなっている。

ユウが頂上につこうとしているところで、月の光が広がってきた。頂上には竹はなく、そこそこの大きさの円状の丘が広がっている。そしてユウが頂上についた後、オレもそれにつづいて到着した。

「さすがに疲れたな・・」
ハァハァと息を切らしつつ、ちょっと下を向いた。その時、空の上の満月からあっりたけのつきひかりを浴びて、

前を見た。

「くうたん、今日もきてくれたんだね。」



 月の白い光に照らされ、白い服を着た少女が丘の真ん中に立っていた。


「カスミ、会えてよかった」


オレがそう言うと、彼女は少し悲しそうな顔をみせた、がすぐその後また笑顔になった。

「私のお話につきあってくれるの?」
「ああ、そうさ。このつきのひかりがまぶしい間はな」



 オレはカスミと座って並んで話をした。
「わたし、1回だけでもいいから行ってみたい場所があるの」
「うん?」
オレはそう答えて彼女をみた。カスミは、オレや椎奈に見つめられると「えへへー」といいたいような恥ずかしぶりを見せる。そんな表情を見せながら、彼女は、ふっと人差し指を上に向けた。

「お月さまのところ」

「ふっ」 オレはちょっと微笑みながら、「なんで」と理由を聞いた。
彼女は裏山の向こうの街の光をみながら、少し真面目そうにふるまって

「私が生まれたときから、世界地図なんてものはできてた。もう、地球上のどんなところも人によって踏みいれられたんだ。
もう人が関与しない場所なんて無いんだ・・・  だけど、お月さまは違うでしょう。まだ全然、人は行くことなんてできないし、一種、孤独の場所。一回だけでもいいから行ってみたいと思わない? くうたーん」

「まあ1回だけならなぁ・・・確かに」


こんな話をしていてけっこうじかんは経っていたのだろうか。楽しかった。とても。この時間が永遠に続けばいいと思うくらい。
なのに、暗雲が月にかかろうとしていた。

彼女はせつなそうだった。それを見てオレもそれと似たような感情になる。

「そろそろお別れだね・・ もう行くよ」
「また、会えるよな」
「くうたんは・・やっぱりまた会いたいの・・?」
「当たり前だろ、またこの満月の下でさ」

次の言葉まで少し間があった。そしてこの間は事が重大であることを予感させていた。

「たぶん、もう会えない」

「なっ!?どういう・・・」
カスミは、オレの返答を聞く間もなかっただろう、すでに走り出していた!

「ちょっと待てよ!待ってくれ!」
叫んでいるのに、それなのに、カスミには聞こえていないのか!?止まってくれない!
彼女は、頂上を少し降りたところにある橋のところへ向かっていた。

彼女が橋のてすりの上に立つと、彼女からは見下ろす、オレからは見上げる形で対峙した。

「ばかっ そんなところに立つな、おちるだろ」
「わたし、あの月の上からずっとくうたんをみてた。満月のときは必ずくうたんがここに来てくれた。わたしとは話せないのにいつもきてくれた」
「やめろっ」
「とてもうれしかった。だから、今日だけはくうたんとお話がしたかった。だけど、もう戻らないといけない。月に。もう私は、そこで永遠に孤独・・・」
「行くな!」
「ありがとう、バイバイ・・」

てすりの方へ全力で手を伸ばした。だけどそこにはもうあの明るい光はなかった。

ただ、手にあったのは、しろびかりを失ったユウだけだった。



「くぅっ、うぅ、うわぁああ」
衝動が止まらず、オレは橋の手すりから身をのりだしとびだとうとした。
だが、できなかった。

腕を掴まれたからだ。椎奈に。

「空太、どこへいこうとしてんだよ」


少し沈黙の時が流れた。2人とも腕は汗ばんでいたが、椎奈の手は離れない。相当強く握られている。

オレは手すりから降りるしかなかった。「椎奈、お前にはわかんねーよ」
「ふざけんな。私にはわかるさ。カスミのとこだろ」
「・・・」オレは返答できない。
「今までの話全部聞こえてた。私にも話してくれたんだよ。カスミは。もう全部知ってる」
「何で止めた」
「はぁ?あんたガチで言ってんの?あんた、カスミが何でここにきてくれたかわかってんの?」

「分からない・・・わけないだろ!!分かってるさ・・オレがこんな見舞いごっこしてたって何も変わらないことくらい。
学校サボってここに来たさ。未練がついて離れなかった。あいつは、なんでもかんでもあぶなっかしいやつだった。けど、なのに、ひといちばいのがんばり屋さんで、人には疲れを見せなかった。あの日、あの満月の下、オレら3人おいかけっこしたよな・・オレがあいつの体調が良くないことに気づいていればとめられたんだよ。カスミが橋から落ちることを。オレのせいで、あいつはここで死んだ。オレのせいで・・」

「だからさぁ、くぅっ、あんた一人でさぁ、うぐぅ、背負いこまっぁ、背負いこむなぅぅ」
いつも強気な椎奈が泣いていた。オレは言葉を失った。

「悪い」
「うぐっ、もう大丈夫・・もう大丈夫だから」
椎奈は2つ大きな息を入れて、オレに言った。

「もう終わったんだ。今日でもうあたしたちはカスミの顔はみれない。けど、けどさカスミはあの月からあたしたちを見ていてくれる。あたしたちは、一緒にあの月を見返してあげるくらいしかできないだろう?」

オレも2つ息を入れて椎奈に答えた。
「そうだな」


 その後、オレはユウをつれて、椎奈と一緒に頂上に戻ったところで、もう一度光がさした。
2人で座ってしばらく満月を見入った。そののち、オレはユウを抱えて、それに重ねてみた。
オレと椎奈がユウを見つめていると、ユウは、わぉ?と言いたそうな顔で、恥ずかしそうなのでおろしてあげた。何ということもないしぐさなのだけれど、オレと椎奈は2人笑いあえた。


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以上 幽を根源とした短編でしたーーー
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コメント

[C246] No title

この文章が後に黒歴史になろうとはこの時のなかやんは知る由もなかった
  • 2014-08-04 00:04
  • みやひ
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  • 編集

[C247]

うーむヽ(´ー`)ノ
続きでも考えるか(笑)
  • 2014-08-04 21:18
  • ぬるし
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